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ブルベのライドレポートを書いていきます

BRM503あおば1000酷 レポート (2/4) ~ Day 1 稲城→茅野 ~

 VCR横浜あおば主催の1000 kmブルベ「酷」、いよいよ出走編。初日は稲城大丸公園から富士宮経由で茅野を目指す、270 km / 4000 m upの旅路。宿の門限が0時と決まっているため、グロス平均速度18.3 km/h以上で頑張らなければならない。

 準備編はこちら。

m24kmc.hatenablog.com

スタート (0 km) ~ TC1 大棚沢橋 (37 km)

 今回のブルベはスタート時刻が9:00ということで、普段のように3時起床からの始発乗り継ぎは必要なく、しっかり7時間睡眠を取ることができた。稲城駅まで輪行し、ブルベカードを受け取ったら、バナナやパンを頬張りながらスタート時間を待つ。GWの1000 kmということもあってか、かなり多くの人が集まっていた。これまでN2BRMばかりで、いくつか参加した通常開催のブルベでもこれほど多くの出走者はいなかったため、お祭りのような雰囲気に気持ちが高揚する。漏れ聞こえてくる声によるとしっかりホテル泊予定の人もいれば、道の駅などでの仮眠で済ませるつもりの人もいるようで、走行計画にも個性が出ることがよく分かる。また停まっている自転車を見ても、パニア付きの重装備の人もいれば、それで1000 km走るんですか!?というような軽装の人もおり、やはり走行スタイルは人によるのだと改めて実感した。

スタートの大丸公園

 そんなこんなで車検を終え、ブルベカードにサインを貰ったら、いよいよ1000 kmの旅路がスタート。桜ヶ丘を過ぎると都内ローディーの聖地 尾根幹に合流する。天気も良かったため、ブルベ参加者でないローディーも走っていたようだ。そういえば開始早々に後方のランドヌールの方がパーン!とバーストパンクしていたようだったが、無事完走されただろうか?

 しばらく進むといよいよ登坂が始まる。31 km地点、妙誠寺付近の最初の登りは距離こそ短いものの、ところどころ斜度10%を超えるような登りで、それまである程度まとまって走っていたグループもバラけ始める。これを登り切ると右手には宮ヶ瀬湖が広がる最高の景色が広がっており、景色に見とれすぎて通過チェックをパスしないか心配になるほどだった。いくつかトンネルを抜けた後に通過チェックの大棚沢橋とともに写真を撮影。今回はブルベカードなどを写す必要はないとのことだった。

TC1 大棚沢橋と宮ヶ瀬湖。最高の天気に恵まれた

TC1 大棚沢橋 (37 km) ~ TC2 土屋橋 (61 km)

 その後もしばらく宮ヶ瀬湖沿いを走り、伊勢原の方に下っていく。このあたりも一般のサイクリストと多数すれ違った*1。進路を西に変え川沿いに少し走ると、すぐにTC2の土屋橋に到着。奥には富士山が見える。これからあそこを超えて行くのかと思うと、自転車の航続距離の長さに驚かされる。

TC2 土屋橋。左奥に富士山が見える

TC2 土屋橋 (61 km) ~ TC3 稲子駅 (165 km)

 土屋橋を過ぎるといよいよ本格的なヒルクライムが始まる。その前に、事前にチェックしていた中井町のローソンで補給。ここは富嶽さくらSRでもコントロールになっていたコンビニだ。今回の旅路で幾度もお世話になるソルティライチとロールパンを購入、パラチノースを追加で溶かし、さらに300 mLの三ツ矢サイダーを一気飲みしてすぐさま出発する。前回の富嶽さくらSR以降、心なしかコンビニ休憩の時短のコツをつかんだ気がする。道中頑張って踏むより、こういう休憩時間を削るほうがグロス平均は稼げるのだ。

足柄峠 (6.5% 11 km)

 酒匂川から離れると徐々に登り基調になってくる。このあたりだったと思う、ただならぬオーラを放つランドヌールの方と合流した……というのも、ステルシーな黒のエアロフレームに超ディープなリム、DHバーまで装備という、まるで個人TTかのような出で立ちなのだ。機材厨の血が騒ぎ思わず話しかけてみると、バイクの重厚さとは裏腹にとても気さくなお兄さんで、いろいろとお話を聞かせてもらった。バイクはBMCのTimemachine、ホイールは75 mmハイトで、クリンチャーがこれしかないから使っているらしい……恐るべし。そしてゴールしてから気づいたのだが、この方、twitterでフォローしているマカロンさんだった! 大変失礼いたしました……。

 ロングライドでタレないためには、頑張りすぎないことが大切。心拍数やパワーで管理しても良いのだが、最も簡単には、会話できる程度の呼吸数に留める、という目安がある。1人で走っているとなかなかうまくいかないことも多いが、こうして他の方と話しながら登っていると自然とペースを抑えられ、気づいたら残り1,2 kmというところまで来ていた。ゴールが見えてくると心理的にも楽になる。先週末の都民の森練習も多少効果があったのだろうか、それほど無理なく登り切ることができた。最後は少しペースが上がってしまい、意図せずマカロンさんをちぎるような形になってしまったが、その後も何度かお会いして元気をもらうことになる。

 さて、ここからはご褒美の絶景ダウンヒル。最高の天気のもと気持ちよく降りていくと、木々が途切れたところで視界いっぱいに富士山が広がる! ブリーフィングで路面注意と言われていたところだったのでそれほど飛ばすことはできなかったが、ある程度グロス平均速度も回復し、景色もしっかり堪能することができた。

足柄峠DH。ここまで綺麗な富士山は初めてだ!

 一度下りきった後、3%ほどの緩斜面を数km登る。さっきの下りで身体を冷やしてしまったようでお腹が痛くなってきたので、予定していたよりも少し手前のコンビニで中休憩。レアチーズケーキを補給し、コーラを流し込んで再度出発した。

富士サファリパーク (6.2% 4.5 km)

 しばらく行くと富士サファリパークに向けての上りが始まる。ここは去年11月にR東京さんの300ブルベ(朝霧高原)で逆向きに通った道。逆方向とはいえ、なんとなくの雰囲気を知っているだけでペース配分もかなり楽になる。しばらく登っていると、マカロンさんと再度合流。やはり1人と2人とでは心理的な安心感が全く違うもので、気づけばクリアできていた。

 さっきの反省を踏まえて下りの手前で長袖ジャージを装備。ここからの下り区間は絶景こそないものの、きれいな路面と十分な道幅のおかげでかなり飛ばすことができた。交通量がそれほどなかったこともあり、めったに使わない52T x 11Tを気持ちよく回しながら下っていった。

桜峠 (7.5% 2.3 km)

 足柄峠、富士サファリとクリアし、今日の登りは残すところ富士見峠だけ……と思っていたのか? 2 kmちょっとの短い峠ではあるが、しっかり斜度のある桜峠が待ち構える。ここも富嶽さくらSRで逆向きに通った峠だが、その時はコース予習の段階でこの峠の存在に気づいていなかった*2ためさんざん悪態をつきながら登る羽目になったのだが、今回はさすがにチェック済み。パワーセーブモードでゆっくりと登っていくとすぐにクリアできた。誰に言うでもなく「ざまぁ見ろ~~~」と言い残して下っていく*3。下り緩斜面で脚を休めつつ進んでいくと、すぐにフォトチェックポイントの稲子駅に到着した。

TC3 稲子駅。いい感じに日が落ちてきた

TC3 稲子駅 (165 km) ~ ちのステーションホテル (274 km)

 ここからは富士川沿いに遡上して南部町、身延から韮崎を目指す。いってこいビワイチや富嶽さくらSR(逆方向だが)でも通ったおなじみのルートだ。そして静岡-山梨県境や身延山ICをはじめ、地味なアップダウンが多いことも知っている。夕日に染まる空を眺めつつ、覚悟を決めて走っていく。ありがたいことに風向きは追い風に恵まれた。途中、チェックしておいた内船デイリーヤマザキで補給。その場でコーラを流しこみ、アクエリアスをボトルに詰めてパラチノースを投入。ロールパン・スティックパンをジャージのお腹側にねじ込んでリスタートした。ここからの区間は長い登りもないので食べながら走れるだろうという算段だ。途中までは良かったのだが、しばらくして完全に日が落ちると、川沿いということもあって羽虫が飛んでおり、さすがに口を開ける気にならなかった。このあたりで後ろから爆速でランドヌールに追い抜かれる……マカロンさんだ。完全にTTのペースでかっ飛ばしていた。すぐに遠くなる尾灯に元気をもらった。

 相変わらずの追い風に助けられてグロス平均速度は順調に回復。南アルプス市に入ったあたりで少し勾配が上がり(といっても2%ほどだが)、少し疲労が溜まってきたので、登りきった先の韮崎のコンビニでオロナミンCを入れた。ここまで追い風に乗っていいペースで来ているので、勢いを殺さないよう、ジェル2パックだけ補充してすぐに再出発。このペースなら今日の宿の門限には余裕で間に合いそうだ。

 この周辺は地図で見ると道路が密集しているのだが、住宅地という雰囲気で、日が落ちると外には人影が見えない。車がいなくて走りやすいとも言えるし、少し物寂しいとも言える。今日も残すところあと50 kmということで、気分を上げるためにBluetoothスピーカーのスイッチをON。ブルベ用に組んできたアップテンポなプレイリストをかけて走っていく(音量には注意しております)。さて、そろそろ富士見峠に向けてのアプローチが始まる。

富士見峠 (3.6% 4.7 km)

 富士見峠そのものは5 kmほどの短い峠だが、そこに至るまでにも2%程度の緩斜面を延々と登っていく必要がある。国道20号に合流してからは交通量も少し増えるため、周囲にも気を配りながら走っていく。こういった地味な上り基調を数十km走るのが一番つらいということをこの1000 kmで思い知ることになる。この富士見峠アプローチはその1つ目に過ぎなかった。

 途中、後方からランドヌールが追いついてきた気がする。相変わらずスピーカーからはアニソンを垂れ流しにして走っていたのだが、気に入らなければ千切るか千切れるかするだろうと思いそのまま進んでいく。少しきつい、ぐらいのペースで登っていき、富士見峠の交差点に到着。結局後ろのランドヌールの方とは最後まで一緒に登ってきたが、お互いかなり疲れていた。とはいえ本日の登坂終了だ!

 ここからは宿まで下り勾配。garminによると気温は5℃まで下がっていたようだが、宿まであと少しだったので耐えて走った。宿手前でコンビニに寄り、晩飯用の弁当とサラダ、プロテイン、明日の朝食&補給用のパン、ヨーグルト、ドリンク類を大量購入して宿に向かった。結局宿に到着したのは23時前で、富士川沿いの追い風のおかげでグロス平均速度は20 km/hほど出ていたようだ*4。明日の朝は早く着いた分だけ早く出ても良いのだが、早朝は寒いと思われるので、リスタート時刻は予定通り5時とした。

 ちのステーションホテルには他の参加者がすでに到着していたようだ。フロントの方との話もスムーズで、自転車を部屋まで持ち込ませてもらえた。荷物整理が部屋でできたので大変ありがたかった。ラジウム温泉で汗を流し身体をほぐす。当初の予定にはなかったのだが、脱衣所に洗濯機を発見したのでウェアを洗濯した。部屋のテレビでU149を見ながらさっき買ったハンバーグ弁当を頬張り、乾燥まで終わらせたウェアを回収して就寝。結局寝るのはかなり遅くなってしまった気がするが、腹も脚もそれなりに回復したのでよしとする。

 

Day 1 稲城 → 茅野

273.3 km / 4036 m up

13h53m / Avg. 19.7 km/h

 

 続きはこちら: 

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*1:その中にブルーアーカイブのシロコジャージを着ている方がいらっしゃって少しテンションが上がった。ん、シロコも1000 km走るべき。

*2:1000 m直登が複数個あるせいで、せいぜい200 m upにも満たない桜峠はコースプロファイル上でほぼ平地に見えてしまうため

*3:独り言が増えてきたら疲労のサイン

*4:休憩時間を削減したのも大きく効いていると思われる