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ブルベのライドレポートを書いていきます

2023 R東京Flèche ~実走編~

 2023年R東京Fleche、いよいよ出走編。

 準備編はこちら:

m24kmc.hatenablog.com

 いよいよ出走当日。結局あまり寝られなかったが、昨日までの睡眠貯金を信じて走るしかない。パンとヨーグルトで朝食を済ませ、ドリンクを準備してチェックアウト。駅前の広場の隅で自転車を組み立てる。後輪のフェンダーも問題なく付いた。さて、あとはローソンで着替えの入ったリュックを石和に送るだけ……と思ったのだが、今朝発送では明日の朝には到着しないことに今更気づいた。ここで潔く自宅発送にしていればよかったのだが、血迷ってその時点での最速日時(14-16時)に石和宛に送ってしまった。これのせいで完走後にごたつくことになるのだが、ひとまず今の目的は24時間で石和にたどり着くこと。その先のことは後で考えればいいやと思ってスタート地点に向かった。

スタート地点 ローソン富山北新町店

 スタート予定時刻6時の10分前に集合と決めていたが、5時40分頃にローソンに到着すると、すでにGIOSのクロモリが到着していた。青フジさんだ。今回のメンバーで唯一のFlèche経験者であり、私が引いたルートをもとにキューシートを作成してくれた方だ。経験者であることはもちろん、事前にルートを追ってくれたことはかなり心強かった。

 しばらく自転車の話をしたりしているうちに、2台目のクロモリが到着。かさいさんという方で、なんと沖縄から遠路はるばる飛行機輪行で来てくれた。今回(twitterで募集したこともあってか)全員20代というなかなか“フレッシュ”なメンバーでの出走となったが、その中でも最年少の彼は、今回のFlècheのアイコン的な存在となる。普段はキャンプライドなどをしているそうで、ノーブランドのフレームをバラ完したという車体には歴戦の傷跡が刻まれていた。

 少しして、リアキャリア&両側パニアバッグという、普段のブルベでもなかなかお目にかかれないほどの重武装ロードが入ってきた。この方はきんちゃんさん、普段からこの装備でブルベやロングライドをしている方だ。その装備からも察せられる通り、今回のメンバーで一番旅慣れている方で、特に終盤には何度も助けてもらうことになる。

スタート ローソン富山北新町店 ~ PC1 セブンイレブン上越川原町店 (122 km)

 ブルベカードを配布し、しばし談笑しつつ、6時頃に各々レシートを取得。さあ、いよいよ24時間360 kmの旅路が始まる。最初はリーダーである私が先頭で、まだ交通量も少ない富山市街の街から日本海側へと進んでいく。途中、踏切の直後で切符切りのパトカーが待機していた。朝からご苦労さまです。

 10 kmほど走って川沿いのサイクリングロードに出たところできんちゃんさんが先頭を変わってくれた。これをきっかけに、その後もなんとなく10 km交代で走っていくことになる。ちょっとした登りをパニアの重さをものともしない力強いダンシングでこなしていくきんちゃんさんを見て、これは完走できそうだなと確信する。

 人の後ろにつくと前走者の機材が気になってしまう癖で、前を走っているかさいさんのクロモリを観察していると、ブレーキキャリパーをR7000にアップグレードしているようだった。ランドヌールらしいカスタムですね!と信号待ちで話していると、「4台ともリムブレーキっていうのも時代の流れに逆行してますよね笑」と……確かに。ちなみに当然4台とも紐式変速だ。

 入善、泊を過ぎると日本海が左手に広がり、少し進むと覆道・アップダウンの連続する親不知に突入する。初めて通る道ではあったが、大型車が多いことと道幅が広くないとの事前情報を得ていたので、ストリートビューで予習はしておいた。このときは片側交互通行になっていたのだが*1、中央線が凸凹になっているタイプの道で、路面の振動で前走のかさいさんのテールランプが外れてしまった。後続車・対向車がいないことを確認してランプを回収したが、交互通行区間内で停車する形になってしまった。通行整理の方が来てくださり、エスコートされつつ交互区間の終わりまで移動。現場の方にお礼を言いつつ、青フジさん・きんちゃんさんと合流、再出発した。

 少し進み、天険トンネルの手前で自転車用の迂回路に逸れる。昨日の雨の影響か落下物の多い道を進むと、日本海に沿って走る北陸自動車道国道8号が綺麗に見える。そのR8に再度合流し、後続車のプレッシャーを受けながら進んでいくとすぐに道の駅 親不知ピアパークに到着。66 km地点ということで、事前に休憩ポイントとして設定していた場所だ。時間が早かったため売店等は空いていなかったが、トイレを済ませ、10分ほど休憩した。

きんちゃんさんのバイクに装着された甲府行のサボ。良い味を出している

 再出発し、引き続き国道8号を進んでいく。親知らず区間を抜けると道幅も広がるため走りやすくなるのだが、そのせいもあってかややペースが上がり始めてしまう。これはやはり全員が初対面なため仕方ない部分で、お互いの走力が読めないからこそ、全員が(自分が遅すぎて足を引っ張ってはいけない……)と忖度し、少し無理をしてペースを上げてしまったのだと思う。かくいう私も薄々その事に気づきつつも、先頭に出たときには下ハンで少し強めに踏んでしまった*2

 徐々に風も強まってきて、PC1直前ではなかなかの横風に煽られつつも、なんとか直江津に到着。PCのコンビニに到着するやいなや、「いや~しんどかったですねぇwww」と打ち明けるのだった。空は雲に覆われて日差しがない上に風が強く、思ったよりも寒い。

 しかし早いもので、ここまででもう1/3が終了している。パンやドリンクを補給しつつ、デザートもつけてしっかりめに休憩し、以降は体力を温存しつつ走っていこうと方針を固める。ここからは妙高方面に南下して野尻湖を目指す登り基調だ。

PC1 セブンイレブン上越川原町店 (122 km) ~ PC2 野尻湖郵便局 (167 km)

 PC1を出発すると心做しか風がさらに強まっており、遮るものがない河川敷道路では危うく川に落ちそうになるレベルの爆風に煽られた。なんとか河川敷を脱出し、高田城址公園を突っ切ってさらに南下。徐々に風も穏やかになってきて、空にも晴れ間が見えてきた。

妙高への登りが始まる頃にはすっかり晴れていた

 野尻湖への上りは斜度自体は3%程度だが距離が20 km近くあるタイプのダラダラ登坂。気温も上がってきたので防寒着を一枚脱ぎ、ここまでで貯金も十分稼いだので、なるべく抑えめで登っていった。

 登坂途中、かさいさんがチェーン落ちしてしまったので、歩道に退避してみんなで復旧作業をする一幕も。リア変速の不調でロー側に落ちてしまったようだったが、幸いスポークへの深刻なダメージはなさそうで一安心。こんなところで自走不可DNFにならなくて良かった。ロー側調整ボルトを少し締め、ゆるゆるとリスタート。

 まだまだ登坂は続く。妙高のこの辺りは日差しを遮るものがなく、4月とはいえずっと登っていると暑くなってきた。ボトルも残りが少なくなっていた&エンドレス登坂に辟易していたため、妙高高原セブンイレブンに急遽ピットイン。ドリンク補給とお手洗いを済ませて再出発した。

 ここから先は、R18から旧道(県道39号)に外れるルート。事前にルートを話し合っていた際に、きんちゃんさんに提案された箇所だった。実際旧道の方は交通量も少なくて走りやすく、国道合流直前のつづら折れ&スノーシェッドなど見ごたえもある道だった。

 R18に再度合流してからも登坂は続く。

「18号って碓氷峠とかまで続いてるやつでしたっけ」

「えぇ、旧中山道の一部ですね。高崎からは国道17号。」

雑談しつつじわじわと標高を稼いでいき、トンネルを抜けると急に視界がひらける。ナウマンゾウのモニュメントが特徴的な交差点、野尻湖に到着した。PC2はここから少し脇にそれた位置にある郵便局。看板の前で4人で記念撮影をして証憑とした。まだみんな生きた表情をしている。

PC2 野尻湖郵便局 (167 km) ~ PC3 セブンイレブン中野市高丘店 (186 km)

 野尻湖沿いを回って登りの最後を消化し、いよいよご褒美のDHタイムが始まる。ここまで頑張って積み上げてきた標高貯金を消化して一気に外界へとワープ、とはいえ一時停止も所々あるため飛ばし過ぎは厳禁。車間を取りつつ安全第一で下っていく。ここの区間は下り基調なことに加えて距離的にも20 kmと短く、トンネルを抜けて千曲川を渡ればあっという間にPC3のコンビニに到着した。

 時刻は16時前、距離的にもちょうど折り返しの所まで来た。メンバーに少し疲労の色が出てきていたので、長めに休憩をとった。

PC3 セブンイレブン中野市高丘店 (186 km) ~ PC4 大池 バス停 (227 km)

 コンビニ滞在時間は3, 40分ほどだっただろうか。完全回復とまではいかなかったが、ある程度回復してから再出発。ここからは千曲川に沿って南下していく。余力のあるメンバーで先頭を回しつつ、集団がバラけないよう気を配ってペーシングしていく。

 ふとあたりを見回してみると、さすが長野県だけあって、都内では散ってしまった桜がまだ綺麗に咲いているところがいくつかあった。こうした非日常を楽しめるのもブルベの醍醐味。今回は自分で引いたルートということもあって、その喜びもひとしおだった。

標高が高いからか、都内では散ってしまった桜も楽しむことができた

 一部工事中の箇所を現場判断で迂回しながら進んでいく*3。走行距離も200 kmに到達し、日も傾いてきた。ここから先、距離合わせのためにわざわざ追加した姨捨の登りが待ち構えている。距離も斜度も大したことはないが、ここまでの疲労を考えるとなかなか骨の折れる箇所だ。日が落ちきって暗くなる前に一旦公園に退避し、登りに備えて体制を整え直すことにした。

 まずは気温低下に備えて各自防寒着を装備。続いて余力のあるメンバーが荷物を多めに持って重量を肩代わりすることにした。このときにきんちゃんさんのパニアバッグが大活躍したことは言うまでもない。

 覚悟を決めて姨捨に突入。5% 4 kmだからと軽い気持ちでルートに入れたことを後悔しつつ、じわりじわりと歩みを進めていく。「会話ができる程度の心拍数」を維持すべく、かさいさんに積極的に話を振ってペーシングに努める。どんな話をしていたかは忘れてしまったが、少しは気を紛らわせることができただろうか。無心でペダルを回していると頂上の千曲川展望公園に到着。その名に違わず千曲市街の夜景を一望することができた。昼間なら市街地の手前に棚田が広がっているのが見えたのだろうが、今回は暗くて見ることが叶わなかった。

千曲川展望公園に到着

千曲市街の夜景が広がる

 PC4はここから少し下った先にあるバス停。街灯もない真っ暗闇の中、カーボンリムの発熱に気を遣うレベルの急坂をノロノロと下り、長野自動車道をアンダーパスしてJR篠ノ井線に突き当たったところがそのバス停だ。ヘッドライトを照明代わりにしつつバス停の案内板とともに4人で記念撮影。冷静になって考えると異質な光景だ。

PC4 大池 バス停 (227 km) ~ PC5 ローソン西軽井沢中央店 (274 km)

 記念撮影をしているとちょうど篠ノ井線の列車がやってきた。ここ姨捨駅はスイッチバックで有名な駅で、ちょうどそれを目の当たりにできたのはなかなか運が良かった。篠ノ井線を見送りつつ、次の休憩地点について相談する。当初の予定では下りきったところにあるコンビニで休憩する予定だったが、気温も下がってきたので、どこか座れるところが出てくるまで進んでみようという話になった。

 姨捨集落を抜け、千曲川を渡って本日2度目のR18に合流。しかし意外とゆっくりできそうなお店が見つからない。結局道路左側に現れたローソンに入店することにした。入店時、歩道の段差に引っ掛かって転倒するアクシデントがあった。幸い怪我はなかったものの、やはりかなり疲労が出ているということになり、一旦温かいものを補給しながら作戦会議をすることにした。

 きんちゃんさん曰く少しコースを外れたところに道の駅があるらしい。幸い時間的には余裕のある進行状況だったため、そこで仮眠してリフレッシュしようということになった。きんちゃんさんに先導されつつ千曲川を再度渡り、「上田 道と川の駅 おとぎの里」へ。極力邪魔にならない場所を間借りして30分ほど仮眠した。

 30分後、無慈悲なアラームに叩き起こされる。まだ寝ていたい気持ちをぐっと堪えてなんとか再出発。千曲川河川敷を通って上田を目指す。上田市街が近づくとビジネスホテルの看板が遠目に見え、「泊まりてえー!!」と叫びながら進んでいくのだった。人で賑わう土曜の夜の上田市街に突入し、すさまじい場違い感のなか先を急ぐ。そんな中、とうとうかさいさんがこわれてしまった。

 体に痛みも出ているということだったので、市街地にいる今のうちにドラッグストアに寄ることにした。ここから標高を上げていくことになるので、冷え込みもさらに激しくなるはず。無補給区間に突入する前に湿布と高温カイロを買い込んでおいた。

 ここから西軽井沢に向けて再度ダラダラ坂を登っていくことになる。この区間はもはや無心。東御を抜け、小諸手前でたまらず一旦コンビニ休憩を挟んだが、その間に5人組の反射ベスト集団が爆速でR18を東進していくのを見かけ、手を振って挨拶した。後から調べてみると、AR日本橋のFlecheに参加していた方々のようだ。こういった別グループと遭遇できるのもFlecheの魅力かもしれない。

 R18を北に逸れて少し進むとやっと登坂が終わり、23時頃、PC5のローソンに到着した。

PC5 ローソン西軽井沢中央店 (274 km) ~ 22時間チェック セブンイレブン山梨清里店 (330 km)

 ここからは進路を南にとって佐久・野辺山を目指す。当初は佐久のファミレスで夕食を兼ねた大休憩の予定だったが、ラストオーダーに間に合わなさそうだったため、少し先の松屋に変更。ここで温かいご飯を食べることを目標に再出発した。下り基調ではペダリングを止めてしまうこともしばしばで、全員かなり疲れが出ていたが、中でもかさいさんのコンディションが心配な状況だった。とはいえここまで来てしまうともはや撤退できるホテルもない。背水の陣で臨むしかなくなった。

 佐久までは5 km程度のもので、あっという間に到着した。さっと施錠して松屋に入店。松屋の手前にはマクドナルドがあったが、さすがに食べられるコンディションではなかった。

 着丼待ちの間は虚空を見つめたりと、なかなかの疲労困憊具合。何より、ここから先が今回のルートで一番の難所であるという事実が重くのしかかってくる。しかしもはや進むしかない。しっかりエネルギー補給をし、お茶で体を内側から温めて再出発する。

 小刻みに休憩を取りすぎたこともあって、序盤に作った貯金はほとんど食いつぶしてしまっていた。巡航ペースも落ち込んできていたので、若干完走に暗雲が立ち込め始めてきていたところ、ここできんちゃんさんが先頭に立って一本引きを開始。ギリギリ千切れない絶妙なペースで引き上げてくれたおかげで完走の希望が見えてきた。

 野辺山クライムが本格的に始まる手前で小海のコンビニで一旦休憩。きんちゃんさんがかさいさんにマッサージをしていたりと、なかなかの野戦病棟感のある光景を見つつ、自分自身も再度気合を入れ直す。こんなところでくたばっていられない、あとは野辺山クライムを倒すだけなのだから。

 あまり長居しすぎずに再出発し、引き続ききんちゃんさんの弾丸列車についていく。かなりいいペースで飛ばしてくれている。いいペースなのだが、予定していた22時間チェックのPCに間に合うかはかなり微妙だ。気温も下がるし、集中力も切れかけているこの状況で無理はしたくない。何かいい案はないか……? 疲れ切った頭で考えていると、あることに思い当たった。

「22時間チェックの場所を手前にずらせばいいのでは?」

 もともと設定していた22時間チェックは野辺山を下った先、ゴールまで28 kmほどの地点。しかし、必ずしもここで22時間を迎える必要はない。ならば、余力を持って到達できる地点で22時間チェックの証憑を取ればよいのではないか? 野辺山の頂上を過ぎた辺りには確かコンビニがあったはずだから、そこのレシートを提出すればよいだろう。問題はその後の2時間で走るべき距離が伸びてしまうということだが、野辺山をクリアしてしまえば残りは下り基調、早朝で交通量も少ない快走路でグロス速度も上がるはずだ。……行ける。

 ここまでの思考を、メンバー唯一のFleche経験者である青フジさんに話してみる。

「あの、いま疲れた頭で一人で考えてたことがあって、間違ってないか確認してもらいたいんですが……」

「確かに、それならFleche規程に抵触しないですね。」

 青フジさんにクロスチェックしてもらって確信が持てた。このプランなら無理なく完走が見込める。他の2人にも野辺山頂上で22時間を迎えることを伝えた。

 22時間チェックを手前にずらしたことで一気に時間的余裕ができ、斜度の上がるつづら折れ区間も含めて無理しすぎないペースで淡々とこなしていくことができた。やはり精神的余裕というのは大事なようで、脚への負担もこころなしか軽減されたような気がした。午前3時過ぎ、気がつくと今回のルートの最高地点でもあるJR鉄道最高地点に到着していた。

JR鉄道最高地点に到着

予報通り気温は氷点下

 記念撮影をささっと済ませ、新たに設定した22時間チェックのコンビニを目指す。ほんの少しのダウンヒルだったが、気温が氷点下なだけあって一気に体温が奪われていった。なんとかコンビニに到着し、各々カップ麺などで暖を取りつつ、午前4時を待つ。

22時間チェック セブンイレブン山梨清里店 (330 km) ~ フィニッシュ ファミリーマート石和町松本店 (375 km)

 午前4時、再度レシートを取得して再出発する。残り2時間、ゴールまでは45 kmあるが、うちほとんどが下りであることを思えば十分いける。車間をしっかり開けて一気に北杜市街へと駆け下りる。途中、当初22時間チェックのPCとして申請していたコンビニにも念のため寄っておいたのだが、なんとその日だけ臨時で開店が遅くなっていた! 仕方ないので店舗名の入ったドアの前で4人で記念撮影をしておいた*4

 徐々に空も白み始め、街も都会の雰囲気を帯びてきた。ふと目を横にやると富士山がそびえている。日本海から出発してこんなところまで走ってきてしまったのか……。韮崎まで来ると残りは20 km。最後に謎テンションでペースアップをかけ、一気に甲府盆地に突入。微妙なアップダウンをこなすと見覚えのある雁坂みちに出る。そして午前5時54分、ただの一人も欠けることなくゴールのファミリーマート石和町松本店に到着した。

フィニッシュと同時に朝日が昇ってきた!

ゴール受付

 満身創痍ではありつつも、なんとか全員でゴールに辿り着くことができた。追い込みすぎてしまったかさいさんを労りつつ、イートインを使わせていただいて少し休憩。各々レシートを確認し、抜け落ちがないことにほっと胸をなでおろす。一息ついたところでナイスプレイスの石和健康ランドに移動し、ウェア類を洗濯機に突っ込んで風呂場に直行。リーダーはゴール受付の仕事が残っているので、その時間に目覚ましをセットし、仮眠室で横になると一瞬で眠りに落ちた。

 アラームに起こされ、全員分のブルベカードとレシートを持ってゴール受付に向かう。健康ランドの入口すぐ横にテントが設営されており、ここで受付をしてもらえた。懸案だった22時間チェックの場所変更も問題なく受理され、無事4人揃ってのFlecheの認定を受けることができた。なんでわざわざ姨捨登ったんだ、とスタッフの方からツッコミを受けつつ、一方で22時間チェックの場所を変更したのは良い判断だったねとお褒めの言葉もいただけた。セルフサポートを第一に掲げるブルベにおいて、自身の置かれた状況を冷静に判断して柔軟に対応することは、今後もいろいろな局面で生きてくるのではないかと思う。

 その後はメンバーと記念撮影をしたり、併設の食堂でお腹を満たしたりとのんびりと過ごし、各々帰路についたのだった。私はというと、変な時間に配送指定してしまったドロップバッグはなんとか回収に成功し、特急かいじに乗り込んで輪行帰宅。車内ではすぐに眠りに落ち、気づいたときには新宿だった。

 年末からコツコツと規程を確認してルートを固め、twitterを通してメンバーを募集して臨んだ今回の初Fleche。初対面のメンバー同士ではあったが、全員が個性を出し合い協力しあえたことが達成につながったと強く思う。400ブルベにも満たない距離ではあったが、その比ではないほど濃密な旅路だった。このFlecheを主催してくださったR東京さん、そして無謀なコース設定に付き合ってくれたきんちゃんさん、青フジさん、かさいさんにあらためて感謝申し上げます。

ナイスプレイスで受付を済ませ無事認定。思い出に残る旅路をありがとうございました。

*1:聞くところによるといつもそうらしい

*2:実をいうと、こういった忖度合戦はどこかで発生するだろうと予想はしていた。であれば、体力的にもつらくなってくるコース後半よりも、ある程度余裕のある序盤に「探り」を入れたほうが良いのではないかという打算はあった。結果的に全員ほぼ同じ脚だということを序盤の段階で確認できたのは良かったのではないかと思う。

*3:Flecheは提出ルートが最短ルートになっている。そのため迂回しても申請よりも距離が短くなることはないので、どのようなルートを走っても問題ない

*4:結果論ではあるが、22時間チェックを変更した場合、もともとのチェック場所の証憑は必ずしも取らなくて良いとのことだった。ただしそこがPCとしての機能(ショートカット防止)も果たしている場合には証憑を取る必要がある。