Flèche最大の壁であるメンバー集めをクリアし、いよいよ出走に向けて準備が始まる。
エントリー編はこちら:
機材の準備
昨年末にぐるっと首都圏一周・奥日立の400ブルベを2週連続で走って以降、すっかりオフシーズンに入っていた私。寒さを言い訳にほぼ全く乗れていなかったが、この機会にとオーバーホールを行った。前回からの走行距離は8000 kmほどだろうか。チェーン、バーテープ、シフトワイヤーといった定番の消耗品の交換に加えて、今回はインナー・アウターチェーンリングも交換した。普段手が届きにくい細部のクリーニングやフレームのバリアスコートもしっかり行い、新車のようにピカピカになったRFX8W*1をしげしげと眺め、改めて思うのだった。
「いや…………うちの子、可愛すぎでしょ」*2
リム面・ブレーキシューのクリーニングやトーインの調整、RDハンガー曲がりチェック等を行って近所を少しだけ走行。問題なさそうだ。本当はこの一番綺麗な状態で撮影にでも行きたかったのだが、天気が悪く順延しているうちに、気づけば桜も散ってしまっていた……無念。
エンジンの準備
オフで完全にたるみきった身体。少しでも登坂に体を慣らすためと、BRM319あおば200伊豆にエントリー。実を言うとVCR横浜あおばさん主催のBRMにはこれが初参加で、酷いという噂の真相を確かめるべく、まずは200 kmとエントリーしたのだった。ルートは湘南台から小田原、熱海と海岸沿いを走り抜けたあと、8% 6 kmの山伏峠など伊豆内陸を“堪能”して海沿いに帰ってくるというもの。PCがすべて峠の頂上なところにあおばさんらしさを垣間見た。とはいえ、ごく限られたエリートライダーにしか走れないようなルートではなかったし、あらかじめ登ることを周知しておいてくれているという意味でも、それなりに良心的なのではないかというのが第一印象だった*3。
翌週もR東京さんの300ブルベ富士熱海にエントリーはしていたのだが、1日中荒天の予報。雨天では体温低下や股ズレ、不快感といった体調面だけでなく、パンクやドライブトレイン周りのトラブルなど、機材面でのリスクも上がる。今回はどうしても落とせないブルベというわけではなかったため、前日にDNS連絡した*4。twitterを見ているとかなり苦労されている方が多かった印象。
出走前週は時間があれば都民の森か大垂水峠あたりでヒルクライムの練習をしておきたかったのだが、何故か起床したときには正午を回っていたため、大人しく荒川サイクリングロードでL(?)SDに勤しんだ。
直前準備
バーエンドミラーを装着
一時期バーエンドミラーを使っていたこともあったのだが、ソロライドでは進路変更時の後方確認ぐらいしかミラーを見る機会がなく、それも結局は振り向いたほうが確実なので、ほとんど出番がないことに気づいて外してしまっていた。しかし今回は丸一日トレインを組んで走るため、後続が千切れていないかの確認にミラーは有効なはず。パーツボックスの奥深くに眠っていたCAT EYEのバーエンドミラーを装着した。
フェンダーを初導入
いよいよ出走1週間前。天気予報を確認すると前日は雨予報で、ずれ込むと当日も日本海沿いで降られる可能性がありそうだった。普段ならサドルバッグを泥除け代わりにして走るのだが、トレイン走行時に路面がウェットだと、後続が水しぶきを直に受けることになる。これを機に、以前から気になっていたロードバイク用のフェンダーを買ってみることにした。購入したのはSKS レースブレードプロ XL。
XLは32Cまで、無印は25Cまで対応する。今はワイドリムにグラベルキング26Cで運用しており、またクリアランスが狭くて擦れたりするとトラブルのもとなので、XLの方を注文した。
2日後に届き、部屋の中で仮止め&位置調整をしてみた。フォーク・シートステーにゴムバンドを巻くだけで、キャリパーやクイックに共締めするタイプのジグも不要、組付けに工具も必要ないのはとても良い。その割にガタも少なく、やはり高いだけのことはあって作りは非常にしっかりしている。ただ、前輪の方はダウンチューブ下のツールケースに干渉してしまうので、今回は使わないことにした*5。また輪行の際の取り回しも心配していたが、この通り付け外しが簡単なので、輪行の際には取り外した上で輪行袋内の空きスペースにうまく収めれば問題なく運ぶことができた。
サドルバッグの中身の検討
4月上旬とはいえ、今回はオーバーナイトである上に、最高地点(標高1400 m)で夜を越すことになる。そのため0℃対応の真冬装備が必要だろうということは予想していたのだが、メンバーに共有してもらったepic ride weatherを見るとなんと最低気温-3℃。サドルバッグには防寒具を多めに詰め込んだ。
結局用意した装備は以下の通り。
- (上)メッシュアンダー + 起毛アンダー + 腹巻き + 夏ジャージ + 0℃帯シェル + 反射ベスト
- (下)5℃帯タイツ
- サイクルキャップ
- 真冬用グローブ / 昼間用指ぬきグローブ
- DexShell防水靴下
- シューズカバー
ここまでを基本装備とし、寒くなったときには以下を適宜使用する計画にした。
- レインウェア上下
- 真冬用起毛サイクルキャップ
- 耳あて
- アンダーグローブ
- テムレス
- ネックウォーマー
- カイロ(マグマ)5枚
- エマージェンシーシート
カイロの枚数が多いことを除けば、昨年末の400ブルベとそれほど装備は変わらない。これらに加えて、ウェット路面によるパンクリスクを想定して、予備チューブをいつもより2本多く(計4本)持っていった。
前後泊の荷物
前日は富山のビジネスホテルで一泊。ゴール後は石和健康ランドで仮眠の予定だ。ウェア一式とお泊りセットをリュックに詰めておき、前泊地で衣類だけ入れ替えてそのまま石和健康ランドに発送するつもりで、特に事前のドロップバッグ手配などはせずに出発した。
ブルベカードを忘れずに持参
Flècheのブルベカードはリーダー宛にまとめて送付された。チーム名は「星月夜観測隊」。脚も売り切れ、集中力も切れかけているであろう野辺山の登りで、綺麗な夜空を見られるようにと願いをかけてつけた名前だ。
ブルベカードを忘れてしまうと当然DNF。Garminのコースマップとともに何度も忘れていないか確認した。
前日移動
金曜夕方。帰宅ラッシュが始まる前に上野駅まで輪行、北陸新幹線に乗り込んで富山に向かう。軽井沢を抜け、佐久平駅以降はほぼこれから通るルートだ。富山からスタートするためだけに富山まで輪行する……一般人には理解されない行為だろう。
それほど混雑していない車内で駅弁と追加の天むすを早々に平らげ、明日の24時間連続稼働に備えて仮眠した。寝過ごすことなく富山で下車し、駅に隣接するホテルにチェックイン。一旦荷物を部屋に置いてから、明日の朝食や飲み物を購入しにコンビニに行った。ホテルに戻ってシャワーでさっと汗を流し、10時前には布団に入った。
実走編はこちら。