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ブルベのライドレポートを書いていきます

BRM903東京600ぐるっと安曇野 ライドレポート (1/2)

 少し暑さも和らいだ9月3-4日、ランドヌ東京さん主催の600kmブルベ BRM903東京600ぐるっと安曇野 に参加してきた。

 タイトルの通り安曇野を回ってくる600km。毎度おなじみ武蔵中原のローソンから青梅、飯能と関東平野の縁を辿って富岡まで北上し、碓氷峠を越えて小諸、海野宿、上田を通過。安曇野、松本を周って塩尻健康ランドで仮眠したら、2日目は伊那にタッチして茅野、韮崎を通り、河口湖・山中湖を過ぎたら道志みちをひたすら下る。途中いくつか峠があるが、R東京さん曰く獲得標高は5700m程度で負荷はそれほど集中していないらしい。

 仮眠なしでも勢いで走りきれてしまう400と違い、仮眠が前提となる600ブルベはウェアやライト類のバッテリー管理などの面からも少々勝手が異なる。しかし私のこれまでの600ブルベは 浜名湖鰻 というド平坦*1のみで圧倒的に経験値不足だったため、600kmに慣れるという意味でも山岳コースのこのブルベに参加することにした。

 前日までの予報では長野に入ってからはずっと雨、2日目に山梨に抜けてからも曇り予報で、終始レインウェアが手放せない天気になりそうだった。R東京さんのブルベは出走可能日を±1週間の範囲で選ぶことができるのだが、都合上この日しか出走できなかったため、雨の600もまた経験ということで出走することにした。

 武蔵小杉まで輪行し、7:00に武蔵中原のローソンでパンとオレンジジュースを買ってスタート。のんびりパンを貪っていたら時間が経ってしまった。

スタート地点 武蔵中原

スタート 武蔵中原 ~ 通過チェック1 青梅駅 (50 km)

 朝7時とはいえ武蔵中原付近の都市部は少々混雑する。見覚えのある道を焦らず進んでいく。去年11月に走った東京300甲斐のコースだ。あのときは青梅から延々と登り続く柳沢峠で脚を使い果たし、すっかり日の落ちた帰路の若彦トンネルまでの登りで泣きを見たのだが、今回のコースも最後に若彦トンネルが待ち構えている。果たして今回は無事パスできるだろうか。

 青梅駅周辺は初めて通ったのだが、レトロな街並みが広がっていて面白かった。都市部ということもありあまりグロスは上がらなかったが、10時前には通過チェックの青梅駅に到着した。

通過チェック1 青梅駅 (50 km) ~ 通過チェック2 児玉 (116 km)

 ドリンクとパンを補給して再出発。すぐにちょっとした登りがあり、インナーローでこなしてしばらく進むと埼玉県飯能市に入った。このあたりでは少し晴れ間も見えていた気がする。とはいえ暑いほどではなく、夏用長袖インナーで快適に走ることができた。飯能河原を横目にどんどん進む。このあたりから信号が減っていき、快調に進むことができた。

小前田選手権

 関東ブルベでおなじみの小前田駅で記念撮影をし、10 kmほど進むと通過チェックのファミマに着いた。お腹が空いてきたので、冷やしうどんとみかんゼリーで腹を満たした。

通過チェック2 児玉 (116 km) ~ 通過チェック3 軽井沢 (179 km)

 少し走って神流川を渡ると群馬に入り、さらに進んでいくと富岡の市街地が見えてくる。このあたりからぽつりぽつりと雨が降り出すようになった。さっさとレインウェアを着ても良かったのだが、それなりに気温も高かったため、本降りになるまでそのまま走ることにした。

 富岡を過ぎるとすぐに横川に着く。いよいよ軽井沢峠が始まるが、かなり雨脚も強まってきていたので、高架下の雨に濡れないところで一旦停止してレインウェアを着込んだ。

横川 このあたりから雨脚が強くなってきた

 碓氷峠といえば峠の釜めし。途中釜めしで有名なおぎのやが見えたが、そこそこ雨に濡れた状態で入店するのは気が引けるため泣く泣く通過。碓氷峠入り口はバイパスと旧道が立体的に交わっていて少々混乱したが特に問題なく抜けられた。

 碓氷峠旧道は4% 14 kmの長い緩斜面。有名な峠ではあるが登るのは今回が初めてだ。登り始めて少しするとめがね橋が見えてきた。ツーリングで来ている方々が数名いた。

碓氷峠 めがね橋

 晴れていればもう少し映える写真が撮れたのだろうが、生憎の天気なので1枚撮ったらさっさと先を急ぐ。心なしか雨脚が更に強くなってきた気がするが、ヒルクライムで上がった体温を下げてくれるので今はむしろ都合がいい。峠の後半ではつづら折れが続き、多少の斜度の強弱はあるものの、平均4%に嘘はないといった感じの峠だった。

碓氷峠を越えいよいよ長野に入る

 そうこうしていると長かった14 kmのクライムも終わりを告げ、いよいよ長野県に突入。碓氷峠は特殊な峠で、横川(群馬)側は800 mほど登るのに対して軽井沢(長野)側は200 mしか下らない。そのため登った割にダウンヒルが楽しめないのだが、今回に関してはこれが有り難かった。というのも、登りの最中は気にならなかった標高&雨天による気温低下が、下りに入って一気に襲ってきたのだ。幸いすぐに通過チェックがあったので急いで駆け込んだ。まさかこの時期に肉まんで暖を取ることになろうとは思ってもみなかった。

通過チェック3 軽井沢 (179 km) ~ 通過チェック4 上山田 (234 km)

 少し休憩しているとランドヌールたちが続々とピットインしてきた。この天気のなか出走しているのだから皆ベテランの風格を醸し出している。ディスクブレーキ全盛のこのご時世、この天候にあって、私を含む4台全てリムブレーキ車というところに、ランドヌールと世間の感覚のズレをひしひしと感じた*2

 肉まんで温まった体が冷えないうちに再出発。若干凍えつつ進んでいくと、雨脚も次第に弱まっていき、小諸のあたりでは晴れ間も見えた。時刻は17時半、日差しで暖まるというわけにはいかなかったが、綺麗な空模様を眺めながら走ることができた。

小諸市に入る頃には雨も上がっていた

小諸の街並みは独特の風情があった

 千曲川沿いの細い道を進んでいくと日没とともにまた雨が強くなってきた。まばらな街灯のなかを走っていると突然風情あふれる美観地区が現れる。海野宿だ。しかしちょうどこの時間帯が一番雨が強く、左を流れる用水路にダイブしないよう注意しながらそそくさと走り抜けてしまった。また晴れた日に訪れたいと思う。

 海野宿を抜け、上田の街を目指して千曲川沿いを走る。川沿いの道で街灯も少ないので落下物や路面の穴に注意しながら進んでいく。途中路面が池になっているところが何箇所もあり、下死点でシューズが完全に水没するような深さのところもあった。もちろんシューズはとっくに水没しているので気にならないのだが、池の底に段差や石などが落ちていたらと思うと恐ろしい。そうこうしていると4つ目の通過チェック、上山田のファミマに到着した。

通過チェック4 上山田 (234 km) ~ 通過チェック5 安曇総合病院 (275 km)

 時刻は19時半、特にお腹は空いていなかったし、なによりさっさと健康ランドで風呂に入りたかったため、ジェルとドリンクだけ補充して再出発した。この区間坂上トンネル*3(5% 8 km)、四人峠(6% 3 km)という2つのクライムが待ち構える。ステムポーチからvolt200を取り出し、ヘルメットに装着して登っていく。坂上トンネルの方はうまくパワーを抑えて登ることができた。夜、荒天、初見の峠を一人自転車で登るというのも、ブルベでもなければなかなかない経験と思う。

 坂上トンネルを抜けてしばらくは下り基調となる。坂北の集落を抜け脇道にそれ、人気のない川沿いの細い道を下っていく。途中後ろから車の気配がした気がしたが、振り返って確認すると後続のランドヌールだった。ヘッドライトがかなり明るかったので車と勘違いしてしまったようだ。ともあれこの天気のこの道を2人で走れるのはありがたい。適宜ハンドサインを出しながら下っていった。

 犀川に突き当たり、川沿いを遡上していくと、向かいから反射ベストを着たランドヌールがやってきた。

「通行止めでした!」

 どうも左岸側が通行止めになっているらしい。キューシート記載のルートとは異なるが*4、右岸側にも道が通っているため、さっきまで一緒に走ってきた方と合わせて3人で走っていく。ここを複数人で走れたのは非常に心強かった。

 その後は特に迷うことなくコースに復帰できた。次の通過チェックまであと6 km、このまま行けばすぐだな、などと考えていると、そこそこパンチのある登りが現れた。四人峠だ。実を言うと事前準備の段階でこの峠の存在を見落としており、どれくらいの斜度なのか把握していなかったのだ。通過チェックまでの残り距離からしてそれほど距離はないと踏んでペースを上げてしまったのだが、ところどころ10%ほどの斜度になるところもあってなかなかしんどかった。コース全体の標高差が1000 mにもなると、200 m程度のクライムはコースプロファイルを見ても見落としてしまうのだということを学んだ。四人峠をクリアした後は安曇野市街の明かりを目指してダウンヒル、すぐに通過チェックのセブンイレブンに到着した。

通過チェック5 安曇総合病院 (275 km) ~ 信州健康ランド (314 km)

 ここを出れば40 kmほどで健康ランドだ。さっきの四人峠で消耗してしまったので、チーズダッカルビ丼とプリンでしっかりお腹を満たした。通行止めを教えてくださったランドヌールの方は先に出発。健康ランドの近くにホテルを取っており、キャンペーンで安く予約できたと言っていた。こういうところに熟練ランドヌールの風格を感じる。改めてありがとうございました。

 高瀬川を渡り、安曇野の市街地の西側を走っていく。今年4月にAACRで走った道のような気がするが、暗くてよく分からない。しかしこの道は日本アルプスの裾野にあるため市街地よりも少し高くなっており、安曇野、松本の市街地の明かりを見渡すことができた。このあたりでは雨もほぼ止んでいた。さっき食べたチーズダッカルビ丼のせいか少し眠気が来ていたので、誰も居ないのをいいことに大声で歌いながら駆け抜けていった。

 塩尻市街に入り、中央本線を横切る直前で1 kmほどコースを外れて塩尻健康ランドに到着。ちょうど日付が変わる頃だった。碓氷峠から待ち焦がれた風呂に入って雨と汗を流し、スマホgarmin・ヘッドライトを充電しつつ仮眠室で2時間ほど寝た。

*1:と言いつつ往路は爆風の向かい風でひどい目に合ったのだが

*2:輪行やセルフメンテナンスの容易さがデメリットをはるかに上回るということだろう

*3:R東京さんのページに書かれている四十八曲峠は廃道になっているようだ

*4:後から見直すとブリーフィング資料にちゃんと記載があった