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ブルベのライドレポートを書いていきます

2022 RM429東京1350 日本列島1/2縦断 ライドレポート 宮崎~臼杵港 (3/6)

宮崎(272 km) → 臼杵港(441 km)

2日目前半の走行ログ。

 あまり休まった気がしないが再出発。ここからはソロライド、全行程で2回あるうちの1回目のオーバーナイトとなる。事前に調べた様子では、日向(330 km)、延岡(360 km)あたりまでは平地だが都市間には何もなく、以降は重岡駅(390 km)までJR日豊本線沿いに平均2%ほどの緩斜面、最後に楯ケ城トンネル(410 km)に向けての10%の急坂、宗太郎峠が待ち構える。夜間に平地部を通過し、重岡駅を通る頃には日が昇っている計画で出発した。

 宮崎の市街地を脱出し、徐々に車通りと街灯が減るなか幹線道路を走っていく。やはり視界が暗くなると気分も落ちていくもので、無理せず朝まで泊まったほうが良かったかなどと考えつつも、とにかく脚を回す。ちょうど300 km地点、高鍋町家床の交差点に差し掛かると、Garminが幹線道路を外れて怪しげな裏道へ入るよう案内を始める。気乗りは全くしなかったが、それ以外に道がないからそういうルートを引いているはずで(主催のR東京さんはそれなりに良心的なコースを設定してくださるイメージがある)、大人しくコースに従う。街灯のない7, 8%程度の坂を登らされたがそれほど距離はなく、登り切ると田んぼか畑(暗くて見えない)を突っ切る田舎道に出た。その後は終電のなくなった日豊本線に寄りつ離れつしながら何もない田舎道をただただ走る。途中タヌキ?のような小動物が眼の前を突っ切っていき、普段出さないような声が出た。どうも野生動物はLEDライトに対し鈍感らしく、前照灯をつけていても逃げてくれないことがあるらしい。野生動物が出るようなところ・出るような時間に衝突、落車、DNFでもしようものなら目も当てられないので、以降はそういったお客様が出そうな道では何かしら喋るなり歌うなりするように心がけた。320 km地点、日向市に入ると早々にコンビニがあったため迷わず駆け込む。レシートを貰いそびれてしまって何を買ったかあまり覚えていないが、少し座って休憩したように思う。

 ほどなくして再出発し、次の都市 延岡(360 km)を目指す。日向-延岡間は道幅も広く、街灯もそれなりの間隔で立っていた。しかし延岡を過ぎてしまうと一気に山道に入り補給が困難になるため、30 kmほどしか走っていないが350 km地点で再びコンビニに入ることにした。たまごパンとレッドブルを注入し、無補給区間に備えて5個入りチョコパンをジャージとアンダーの隙間に忍び込ませる。当然潰れてしまうのだが、ある程度潰れてくれたほうが1口で食べられて都合が良かったりする。このことに気づいて以降、ジャージとアンダーの間には必ず5個入りパンを入れて持ち運ぶようにしていた。山道に備えてサドルバッグからスピーカーを取り出しステムポーチにねじ込む。防寒のためにテムレスをつけていると走りながらスマホの操作ができないので、この段階で事前に作っておいたプレイリストを再生する。この区間で選んだのは小倉唯のアルバム曲お気に入りリスト。王道アイドル系の曲が多く否が応でもノれる、コールも入れられるので、夜間の山道には最適だと考えた。またここで貼らないカイロを開封し腹巻きとアンダーの隙間にねじ込んだ。

 延岡市街を外れいよいよ山道に入る。といっても道幅はそれなりにあり、登り基調のアップダウンを延々とこなすという感じだった。野生動物注意の看板を横目にHoney Come!!プラチナ・パスポートなどを熱唱しながら登っていく。もちろんこれは動物よけであって断じてカラオケに興じているわけではない。

宗太郎峠に向けて緩斜面を登っていると夜が明けてきた。

 次第に空が明るくなり始め、同時に気分も高まり始める。半ば無理やり心を奮い立たせて走っていた割に良いペースで走れているので、この調子であればフェリーの時間に間に合いそうだ。日本一終電の早い重岡駅(390 km)で一旦停車し、次の急坂に向けてジェルを流し込む。ここでプレイリストをTrySailに変更。Sail Outやadrenaline!!!のほかスマッシュ・ドロップ、Breaking the dark、ステテクレバーといったソロ曲も含めてお気に入りをまとめている。明るくなっていく視界とともにいい感じにテンションを上げながら、さっきまでと比べると少し斜度のある坂を登っていく。そして頂上手前2 kmほどは九州のラスボス宗太郎峠、10%近くある勾配をひたすら登る。もはやこのときは前など見ず、ただ車線から外れないようにだけ気をつけながらペダルを踏む機械と化していた。こういうときにお気に入りの曲が流れていると気が紛れて良い。長かったが、気づけば最後まで登れてしまっていた。

 ここからはご褒美ダウンヒル。それほど狭くもなく荒れてもいない道を駆け下りていく。腰、ももを伸ばしながら下り、気がつけば臼杵の幹線道路に合流。ここで同じフェリーに乗船予定と思われるTrekに乗ったランドヌールを発見。追い抜くときや信号待ち等で、さっきからつけっぱなしだったTrySailを思いっきり聞かれているが、もはやそんなことに対する恥じらいなど一切捨てている。30日8時ちょうど、臼杵港フェリーターミナル(440 km)に到着すると川チュン氏の東洋フレームが先着している。さすがお早い。受付で予約番号を伝え料金を支払い、トイレに行ったり腰に湿布を貼ったりして出港を待つ。

臼杵港で宇和島フェリーに乗り込み、しばしの休憩。

 ここから八幡浜港までは3時間弱の航行となる。ライトをモバブにつなぎ、ウインドブレーカーを丸めて枕代わりにしてカーペットで横になって軽くストレッチ。すぐに寝てしまった。