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ブルベのライドレポートを書いていきます

2022 RM429東京1350 日本列島1/2縦断 ライドレポート 八幡浜港~福山 (4/6)

八幡浜港(441 km) → 福山(659 km)

2日目後半の走行ログ。(1) 通過チェック3 JR下灘駅、(2) PC1 ファミリーマート福山鞆町店。

 八幡浜港到着の30分前ほどに目が覚めた。トイレを済ませ、水を補充して身支度を整える。臼杵港では曇っていたが、下船する頃には快晴になっていた。モバイルバッテリーやスピーカーをサドルバッグにしまう、パワーメーターの電池を変えるなど装備を整えていたら少し時間が経ってしまったが、そのまま出発し瀬戸内海を目指す。いくつかアップダウンを越えるとこんな景色が目に飛び込んできた。

八幡浜港から瀬戸内海に抜けると絶景が広がっていた。

 初日も海は見たが、ここまで綺麗な青い海は今回初めてだ。若干の向かい風ではあったが景色を楽しみながら走ることができた。その後もずっと海沿いの道を進む。夕やけこやけラインというらしいこの道は四国一周の道として整備が進んでいるようで、自転車用の水色ラインが引かれていて走りやすい。景色を楽しみながら走っていると腹が減ってきた。持っていたジェル等で満たしてもいいが、せっかく人気のある場所を走っているので食堂に入りたい。時刻も12時過ぎでちょうどよいし、どこかないかと探しながら走っていると定食屋の看板を発見(470 km)。入店するとしまなみ海道に行くらしいサイクリスト4人組が食事していた。メニューは悩んだが、「うわさの天丼」なるものがあったのでこれにした。思いっきり油ものなうえに揚げる時間もかかるだろうが、なんとなく食べたくなってしまったので仕方ない。しっかり全部いただき、塗り忘れていた日焼け止めを塗って再出発した。

定食屋あさちゃんにて天丼をいただいた。

 その後も海沿いの道をひた走る。2つ目の通過チェックは480 km地点、日本一海に近い駅として有名なJR下灘駅。この海沿いには道路の1本内側に予讃線が通っており、線路を渡ると駅に至る道がつながっている。単線非電化のいわゆるローカル線で、陽の光に照らされた緑と鉄さびのコントラストがのどかさを醸し出していた。

灘駅手前で予讃線を渡る。

 下灘駅に到着すると、絶好の天気もあって大勢の観光客で賑わっていた。ホームや駅舎でいい感じの写真を撮りたいと思っていたが、流石に人が多すぎるのでささっとフォトチェックを行いそそくさと退散。それでも十分満喫することができた。

 

○ 通過チェック3 JR下灘駅(478.1 km地点) 4/30 13:51(31h51m)

 

 下灘駅を出てもしばらくはこの景色が続く。500 kmの疲労が飛んでしまうような絶景を前に思わず撮影停車。気温は上がってきたが、心地よい海風(ただし向かい風)でそれほど暑さに苦しまずに済んだ。

伊予の絶景の中を進んでいく。

 一旦海岸線を離れちょっとした登りをこなすと伊予・松山の市街地に入る。車通りも信号も多くあまり速度を出せないが、久しぶりの栄えた都市を走って良い気分転換になった。510 km地点、松山市のコンビニで一旦休憩し、みかんゼリーとマッチでさっぱりする。地元の高校生がイートインスペースで音ゲーをしていた。

 16時前、松山を出発しいよいよ今治しまなみ海道を目指す。目標は夕暮れのしまなみ海道を写真に収めること。18時半頃が夕焼けの見頃と思うと18 km/hで走ってギリギリぐらいの計算になる。とはいえ休憩を入れなければ十分到着できるペースではある。疲れない程度に踏み、住宅街や海岸線を抜けると……見覚えのある高架道路が目に入ってくる。18時ちょうど、550 km地点、しまなみ海道最初にして最大の来島海峡大橋に到着した。

来島海峡大橋しまなみ海道でおなじみの自転車専用ループ橋を上っていく。

 まだ夕焼けには時間がありそうだ。特にどこで撮りたいとかフォトスポットは決めていなかったので、成り行きに任せて進んでいく。長大な来島海峡大橋を進んでいるとだんだん日が傾き始めてきた。大島に降り際、夕日に照らされる街並みに思わず撮影停車。

夕日に染まる瀬戸内の島々と大島の街並み。

 その後撮影ポイントを探しながら進んでいると、道の駅よし から絶好の一枚が撮れた。

夕日に照らされる来島海峡大橋。これを見に来た。

 これを見るために宮崎での睡眠を削り8:50発のフェリーに滑り込んだのだから、その苦労も報われたというものだ。ブルベのモチベーションは人それぞれだと思うが、こと今回のウルトラディスタンスに関して私は各地の風景を堪能することを大きな目的の1つとしていたので、多少ハードなスケジュールでも絶景ポイントは綺麗なうちに通過したかったのだ。

 その後大島、伯方島大三島と島を渡っていく。途中多くのサイクリストとすれ違ったが、この時間から尾道に向けてアプローチしているのはランドヌールぐらいのものだろう。580 km地点、大三島の最後にはおなじみのスポットで撮影。しかし暗いとこんなにも映えないとは……。多々羅大橋は綺麗に見えた。

しまなみ海道のフォトスポット、サイクリストの聖地と、そこから見た多々羅大橋。大橋は綺麗にライトアップされていた。

 ここまでしまなみの水色ラインに沿って走ってきている。多々羅大橋を渡り、これまで通り通常ルートから生口島に降りようとしたところGarminがミスコースのアラート。どうも少し外れた道が指定されているらしい。暗くてよく見えないなか調べてみると、「急勾配注意 26%↓」の看板とともにとんでもない下り坂が、あるにはある。ここで合っているのか? もし間違っていたらここを登り直すはめに……しかし調べてみても他にそれらしい道はないので思い切って駆け下りる。その後も20%ほどありそうな坂を下らされ、「俺の知ってるしまなみと違う……」そんな声を漏らしながらなんとか水色ラインのあるメインルートに合流した。今見てみるとメインルートより多少距離を縮められているようだ。明るいうちに通る分には良いのかもしれない。

 無駄に神経を使い、日も落ちて疲れも出てきた体で生口島因島を抜ける*1。途中、例によってジャージとウェアの隙間に入れていた5個入りパンの残り2個を食べようとしたのだが、袋から取り出すのをミスって2個とも落としてしまった。ここらへんまで来ると正直落ちたものを口に入れるぐらいなんとも思わない程度には衛生観念がぶっ壊れているのだが、わざわざ戻って拾うのも面倒なので自然に返ってもらい、代わりにスポーツようかんを食べた。たまに地元民とすれ違いながら走っていく。

 次の向島までは自転車道が車道の下を通る2階建ての橋。誰もいなかったので撮影停車した。しまなみでこんなに贅沢に広角を使えるのもナイトライドの特権だろう。

因島向島を結ぶ因島大橋。貸し切り状態で撮影することができた。

 向島に突入ししばらく走ると市街地に出る。ここからのルートには2つの選択肢がある。1つは尾道大橋を渡って本州に至るルート。もう1つは一旦コースを外れ、渡し船に乗って本州に上陸するルートである。前者は以前逆向きに走ったことがあるがなかなか道が狭く、今の交通量から察するにそれなりに車が走っていそうだ。一方後者は少し距離が伸びるくらいのもので、道端の看板でも「自転車は渡し船へ」とおすすめされている。最終便の22:30まで45分ほどあるので渡し船を利用することにし、水色線を辿って乗り場まで向かった。

兼吉と尾道を結ぶ渡し船

 ほどなくして船が到着し、自転車にまたがったまま尾道へと渡る。他に地元の方と思われる人と軽トラが1台乗っていた。5分もせずに到着、お腹も空いてきたのでどこか座って食べられるお店を探しながら再び走り始める。しかし尾道市街はもっと発展していると思っていたのだが、意外と飲食チェーンなどがない。無性に牛丼が食べたかったのでgoogle mapで牛丼と調べるも、まったくといっていいほどヒットしない。このまま次の通過チェック鞆の浦まで走れる気もしなかったので、南松永(630 km)のコンビニに駆け込んだ。コンビニでわざわざ牛丼を買うのも負けた気がするので油淋鶏と炒飯の弁当、揚げ出し豆腐といちごミルク寒天を購入。温かい揚げ出し豆腐が疲れた体に染み渡る。しかし油淋鶏弁当を食べているときに箸が止まる。どうも油ものを受け付けなくなってきたようだ。強い眠気も感じたので、一度弁当に蓋をかぶせ、コンビニ前のポールにもたれかかって目を閉じた。10分ぐらい目をつむっていただろうか、眠気が飛んだので、残していた炒飯を平らげる。油淋鶏は流石に食べきれなかった。寒天はペロッと食べられた。この間に目の前の道をヘッドライト+ヘルメットライトを光らせたランドヌールが通過する。川チュン氏だ。氏の快走をみて少し元気をもらい、軽くストレッチをして再出走した。

 次は今回の行程唯一のPC、鞆の浦のコンビニである。通過チェックは時間制限がないのに対し、PCはクローズ時間が決まっており、私のスタート時刻では5/1の12:05までの到着が必須となる。ただ今回の走行計画は前半で休憩を少なめに取っているので、ここではほとんど制限時間は問題にならない。焦らず自分のペースで走っていく。

 松永から進路を南に変え、住宅街を抜けるとここに来てなんと斜度10%の標識が。海沿いなので平坦だろうと思い込んでいたが完全に裏切られた。PCまで数kmということだけを考えて気合で登り切る。ここを下ると路面も舗装から石畳調(といってもかなり綺麗にならされているが)に切り替わり、風情のある町並みが広がる。下調べが不十分で走行時は知らなかったのだが、万葉集の時代から潮待ちの港として栄えた場所だそうだ。しかしさっきの10%坂で脚を削られた状態で景色を楽しむ余裕などなく、さっと通過してすぐPCのコンビニに入ってしまった。すると店先にはパンク修理をする川チュン氏の姿が。タクシーを避けて路肩に降りたら異物を踏んでしまったらしい。少しお話させてもらったが、ここまで仮眠は宇和島フェリーのみで、次は赤穂(790 km)に宿泊予定だそう。しかし計画からかなり遅れており、このままだと赤穂に朝到着してすぐにチェックアウト、その後もドロップバッグの計画が破綻しそうとのことだった。初日の雨風でかなり体力を削られたのは川チュン氏も同じだったようだ。Savasミルクプロテインを流し込み、お先に再出発した。

 

○ PC1 ファミリーマート福山鞆町店(648.8 km地点) 5/1 0:14(42h14m)

PC1で川チュン氏とお話できた。

 川チュン氏に元気をもらい、今日の仮眠ポイントである福山の快活クラブを目指して走る。といってもPC1から10 kmほどなのであっという間である。福山に入るとさすがに栄えており、幹線道路沿いに飲食店(閉店時間は過ぎていたが)やコンビニが立ち並んでいる。視界が明るい一方で信号も多いが、だらだらペースで進み、2日午前1時過ぎに快活クラブ福山緑町店に到着した。少し駆動音が大きくなってきた気がしたので駐輪場で注油。入店後まずブースでライト類の充電を開始し、シャワー室で体を流す。脱いだウェアと初日に濡れたままジップロックに詰め込んでいたアンダーをまとめ、ウインドブレーカーで防寒をして近くのコインランドリーに向かった。このためにサドルバッグに下着と短パンを入れていたのだが、これがなければ5日間タイツを洗えなかったため尻へのダメージが大変なことになっていただろうと思う。1時間弱コインランドリーで仮眠し、洗い上がったウェアを回収して快活に戻る。明日は倉敷、姫路を通って兵庫の内陸を突っ切り城崎温泉を目指す。天気は良好、風向きもひどい向かい風ではなさそうだ。城崎温泉の宿で大休憩を入れることを楽しみに、2時間後に目覚ましをセットして仮眠した。

*1:どうでもいいがここでサンドウィッチマンのネタに出てくる因島いんいんテレビを思い出して一人でフフッっていた。かなり疲れている。