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ブルベのライドレポートを書いていきます

2022 RM429東京1350 日本列島1/2縦断 ライドレポート 福山~城崎温泉 (5/6)

福山(659 km) → 城崎温泉(941 km)

3日目の走行ログ。(1) 通過チェック4 道の駅みつ、ゴール地点は通過チェック5 JR城崎温泉駅

 3日目、予定通り起床し、荷物をまとめて快活を退店する。福山を外れてしまう前にコンビニに入り、おにぎり3個と飲むヨーグルトで朝食を済ませた。さすがに疲れが取れきっているわけではないが、城崎温泉での大休憩を目指して走り出す。

 岡山県倉敷市(690 km)に入ると少しアップダウンがあり、そこでネコチャンと遭遇。人馴れしているのかまったく逃げる気配がなかった。

倉敷にて人馴れしたネコチャンと遭遇。しかし餌をくれない人間には興味がない様子だった。

 しばらく行くと住宅街を抜けて倉敷市岡山市の市街地に入る。景色は単調だが交通量の少ない道を進み、11時前、740 km地点のコンビニで一旦休憩する。チキンカツカレーとレーズンサンドで腹ごしらえをしていると地元のおじいちゃんに話しかけられ、鹿児島から来たと伝えるとおじいちゃんも昔鹿児島を徒歩と汽車で旅行したことを話してくれた。

 その後吉井川沿いの河川敷を走るが、どうも調子が出ない。幸い車はほとんど通らない道だったので、下ハンに体重を乗せ数メートル先の白線だけを目印に走る、いわゆるオートパイロットモードでだらだら走行を続ける。10 kmほど進むと河川敷から一般車道に切り替わるが、やはり集中力が上がらず、さすがに危険と判断したためコンビニ駐車場の柵で仮眠をとることにした。きっとさっきのカツカレーを消化するのに血液が胃に行っているのだろう。昼間は体温の心配なく昼寝をできるので安心である。15分ほど仮眠するとすっきりしたので、再び出走した。

JR長船駅手前の踏切で赤穂線がやってきた。

 焼物で有名な備前の風情ある街並みを抜け微妙なアップダウンを繰り返しながら、いよいよ近畿地方、新快速の終点でおなじみ播州赤穂駅のある兵庫県赤穂市(790 km)に突入する。その後も100 m弱の登りをこなし、通過チェックの道の駅に到着。この時点でかなり腰と尻が痛み始めており、日が傾きつつあるのも相まって、城崎温泉までの130 kmに若干の不安を覚えつつあった。

 

○ 通過チェック4 道の駅みつ(811.9 km地点) 5/1 16:01(58h01m)

マルゲリータドッグ。美味しかったが、ドッグを称するならソーセージを乗せていてほしかった……。

 コンビニ食ばかりでは飽きるのでたまには道の駅で違うものを食べてみる。この一帯は牡蠣の養殖が盛んらしく、道中いたるところに牡蠣食べ放題の看板が出ていたり、この道の駅でも蒸し牡蠣を売ったりしていたが、さすがにライド中に牡蠣は不安過ぎる。隣にマルゲリータドッグというのがあったのでそちらを頼んでみたが、実質ただのマルゲリータだった。トイレでプロテクトJ1を入念に塗り込み、ここからの行程を再確認する。あと20 kmで姫路、そこから進路を北にとって15 kmほど進んだところで最終補給を行う。平均1%の緩斜面を35 km登って生野を過ぎれば、あとは城崎温泉まで下り基調65 km。後半は無補給区間で人気も少ないと思われる。ここまででかなり巡航速度が落ちているため、到着は24時近くなりそうだ。チェックインの時間が伸びそうであることを宿に伝えると、23時前頃に到着予定時刻を一度連絡してくれれば構わないとのことだった。城崎温泉以降は予定にも余裕があるため少し長居し、再出走後も適当に大休憩を入れながら走れば、それほど無理なくゴールできそうだ。これで一つ懸案が解消され、肩の荷をおろして走り出すことができた。

 走り出してみるとさっき塗ったプロテクトJ1が予想以上に仕事をしてくれており、尻の痛みをかなり軽減できている。この調子であれば休憩で遅くなってしまうより明るいうちにできるだけ進んでおいたほうが良いと判断し、姫路(830 km)も最終補給地点の溝口(850 km)も通過して一息に駆け上がった。溝口以降も播但線沿いだけあって多少は人の気配がある集落が続いており、日は落ちつつあったがそれほど孤独を感じることなく良いペースで進むことができた。

JR福崎駅手前では播但線の線路のすぐ近くを走る。

さらに北上すると田畑が広がっている。

 ただし、それは長谷駅(870 km)までの話。このあたりでちょうど日が落ち、街灯もほぼないので一気に暗くなる。さらに進むと870.4 km地点でこれまで走っていた39号線から川沿いの市道に外れるのだが、ここが本当に明かりのない林道になっている。さっきまでのような田舎道が生野までずっと続くものだと思って下調べしてこなかったため、いつ終わるのかわからない暗闇の林道のなか、volt 800 + volt 400の明かりだけを頼りに、上がった息でadrenaline!!!を熱唱しながら進軍するのであった。

生野へ抜ける旧道。もう少し明るい時間に抜けたかった。

 もはやどれくらい進んだか記憶がない。ただひたすらcrossing fieldRising Hopeを歌ってテンションを上げていると、次第に視界が開けてきた。生野の集落に出たようだ。頂上の目印としてメモしていた出光のガソリンスタンド(880 km)が見え、やっと一安心できた。ダウンヒル前に防寒着代わりにレインウェアを完全装備し、灯火類を確認して再び走り出す。ここから宿まで65 kmのロングダウンヒルだ。

やっとの思いで生野北峠に到着。

 といっても気を抜く訳にはいかない。さっきほどではないとは言え、相変わらず人気の少ないバイパス道路ではあるし、困ったときにエスケープできる施設はほとんどない。こんなところでパンク修理なんてしたくないので、落下物や段差に細心の注意を払いながら下っていく。さすがに腰の疲労が溜まっていたので、サドルノーズを使ってセルフマッサージを行うなどして体をほぐしておいた。

 10 kmほど下ったところで通行止めの看板が目に入る。しかしバリケードは道端に避けて置いてあり、通れるのかどうか微妙な感じになっている。土地勘はないし、迂回路があったとしてどれほど自転車向きな道路か未知数なため、一旦もとのルートで進んでみることにした。ゆるキャン△で志摩リンが通行止めを突破して無事ゴールできていたことを思い出しながら。しかし……ほんの1 kmほど進むと本当に通行止めであった。ただご丁寧に迂回路が提示されているし、それほど距離もなくもとのルートに復帰できそうだ。若干無駄足を踏んでしまったが、大した坂でもなかったので引き返して迂回路に入った。

気持ちよくダウンヒルしていたところに突如現れた通行止め。迂回路の案内があったため問題なくクリアできた。

 無事迂回路から本ルートに復帰し、順調に下っていく。次第に住宅街になっていき、どこだったかあまり覚えていないが宿場町のようなところも通過したように思う。910 km地点、道の駅やぶ にて一旦休憩。店舗はしまっていたが店の前にイスとテーブルを出してくれており、自販機でホットミルクティーを飲んだ。ここでロード乗りの友人からLINEが来ており、見てみると川チュン氏の2700 km準備動画のリンクが送られている。そういえば出走時に写真は送ったが1350 kmも走るとは言っていなかった。「その人昨日PCで会ったわ」とだけ返し反応を見ることにした。しかしこの人気のないなか友人からの連絡というのは非常に心強いものである。現在時刻は21時半、残り距離も30 kmほどとなり、なんとか日付が変わる前に到着できそうだ。その旨を宿に連絡し、明日の朝食も一番遅い時間にしてもらった。さて、あとはミスなく下るだけだ。

道の駅やぶ にて友人からのLINEに元気をもらう。

 道の駅を出発し養父市豊岡市と下っていく。途中後ろからパトカーが追いついてきたのだが、私との車両間隔を十分取るため、黄色の中央線をまたいで追い越していった。一応道交法的には(軽)車両の追い越しの際に黄色線を超えてはいけなかったと思うが、対向車線の安全を確認した上で十分な間隔を取って追い越してくれるのはサイクリストとしては大変ありがたい*1豊岡市街を抜けるとラスト10 kmは山陰本線以外何もない川沿いの道となる。向こう岸に玄武洞という特徴的な地形があるらしいが、暗くて何も見えない。長く感じた今日一日の振り返りをしながら走っていると、23時過ぎには城崎温泉駅につくことができた。駅の待合室横に川チュン氏の自転車が立てかけてあったので、おそらく待合室で仮眠を取っているのだろう。ささっとフォトチェックを済ませる。

 

○ 通過チェック5 JR城崎温泉駅(940.5 km地点) 5/1 23:16(65h16m)

本日の宿 城崎温泉に到着。

 すぐにチェックインしても良かったのだが、せっかく人もいないので温泉街で愛車を写真に収める。いろいろあったが、なんとか辿り着くことができてよかった。

温泉街の街並みもこの時間なら貸切状態である。

 今晩はしっかり休むので、宿近くのコンビニでSavasミルクプロテインと夕食用にオムライス・エビカツサンド・カレーパン、デカビタCと明日用のジェルを購入。また手指の皮がむけて傷んでいたので絆創膏も補充しておいた。そのまま本日の宿、小宿 縁(えん)にチェックイン。遅い時間にも関わらず親切に案内していただいた。また自転車も建物内に入れていただいた。さっそく内湯で疲れた体を癒やし、部屋で深夜アニメを見ながら夕食を頬張った。モバイルバッテリー、ライト等を充電し、8時半に目覚ましをかけて2時頃に就寝した。

*1:逆に対向も来ていないのに律儀に黄色線を守ってスレスレで追い越していく車がたまにいるが、それだけ遵法意識が高いのなら安全な道幅になるまでずっと後ろで待っていてほしい。